これからウェーディングを始めようと思っている方に
気を付けて欲しいことを何点か。
まずウェーダーを履くウェーディングには多くの危険が付きまといます。
第一回目で機動性が落ちることを書きましたが、メリットの裏には多くの危険が潜んでいます。
慣れてしまえばというより、怖さを知ると無茶をしなくなりますが
ウェーダーを履いて動ける限界値を知るまでは
「ウェーダー履いてるから濡れないし余裕!」なんて気持ちは今すぐ捨てましょう。
ウェーダーを着用して起きた事故
数年前、ある方から釣り中の事故に関して記事を書けませんか?と
相談があり書いたことがあります。
事故が起きることを防ぐことは出来ませんが
着用するスタイルで確率を下げたり、
転落・落水した時に生存確率を上げるのであれば
そもそも「荒れた日に釣りに行かない勇気を持つ」ことです。
ウェーダーを履くと水の抵抗が大きくなる
自分も経験ありますが、激安ウェーダーを履いて本流河川に行った際
車から川に入るまでの徒歩でも機動性が悪いな・・と思いながらも
川の中に。
体にフィットしてない上に、伸縮性の悪いウェーダーだと
踏み出すひと幅がとても狭くなり大きく足を開くことが出来ない。
さらに膝などの曲がった動きに対して伸びないので動きづらい。
生地はナイロン製で見た目からブカブカしていて水の中に入ると
その余分な生地の面積が水の抵抗を大きく受ける。
少し流れのはやい所だと、スネ辺りまでの水位しかないのに足をもっていかれそうになる。
その日はほとんど川の中に入らずに二度とそのウェーダーを履く事は無い。
川の流れは目で見る強さよりも強く、膝程度までの水位しかなくても
体を支えているので精一杯な時もあるので、機動性の悪いウェーダーは命取りにもなります。
特に安価なナイロン製ウェーダーは気を付けてください。
ウェーダーを履いたままテトラ帯に行かない
これも毎年多発する事故の一つで
サーフ近辺にあるテトラ帯は独特な滑り方をする。
サーフで釣りをするウェーダーの多くはスパイクやラジアルソールをお使いの方が多く
そのままテトラを飛び越え着地した瞬間・・・
ズザァ~~ッと滑りテトラから転落。
サーフの砂が風によってテトラポット表面に薄く溜まり
見た目では乾いたテトラ表面だが細かい砂によってとても滑りやすいです。
ウェーダーを履いてることにより機動性も悪くなり、
いつも楽にジャンプ出来る飛距離でも思いっきり開脚した状態で着地し滑ったのでは
バランスを崩しテトラから転落です。
特に靴底の硬いものほど、テトラに砂が溜まっている所では滑りやすく
スニーカーを履いていて転落する方も多く、スパイクもテトラポットには効果ないし
フェルトピンもフェルトが新しい状態でなければあまり効果を発揮しない。
コンクリート素材に乾いた砂はよく滑り、滑る範囲と言いますか距離もザァ~~~~ッと長い距離滑るので
ウェーダーでテトラポットを渡るのは止めましょう!
テトラポットでの釣りは多くの方が命を落としています。
磯にウェーダーは厳禁!
磯は釣り場の中でも最も起伏が激しく、機動性の悪いウェーダーでは
ぜったいに行かないようにしましょう。
記事初めに書いた、磯で亡くなられた方もウェーダーを履いて落水したそうです。
ウェーダーは水の中で足が浮いてしまうと泳ぐこともまともに出来ないし
ウェーダー内部に水が入ればその重量で溺れると思ってください。
エイに刺される!ウェーダーを履いたら無敵じゃない!
ウェーディングをしている際の事故で恐ろしいのは
水だけではなく、水の中に潜むエイに刺される恐れもあります。
干潟や河口域に多く生息するアカエイの毒針に刺され
足を切断する事態になった方も。
エイガードは販売されていますが高価なため、着用している方は僅かしかいません。
しかし近年アカエイは大量に繁殖し多くなっているので
干潟、河口域でウェーディングする方はご注意を!
サーフでも何度も見たこともあるので、気を付けてください。
危険だらけのウェーディングは経験者との釣行を
ウェーディングは自然と一体になりとても魅力的な釣りですが、
多くの危険を伴います。
慣れるまでは必ずその釣り場に慣れた方と行くなどもしもの際に
生存確率を上げる行動を。
慣れたころになると、普段より深く水の中に立ちこんだり絶対に油断もしないよう
気を付けてくださいね!